産むということ
人生で一番感動した出来事、息子の出産について夫目線でお届けします。
某日23時半頃
妻が破水の気がすると報告。自分の意思とは関係なく、水がちょろちょろと出てくるとのこと。
二人とも初めてのことなので本当に破水なのかわからないがとりあえず病院に連絡をする。
入院の準備をしてくるようにと言われたが予定日より1週間ほど早かったので、なかなかに焦る二人。
いろいろバタバタしながらとりあえず病院に行くと、やはり破水で間違いなく、入院することに。
夜間はできる限り出入りを控えてほしいということもあり、自分も帰らず一緒に病院で寝ることに。
ソファーだから若干寝苦しいのと、1時間毎に様子を見に助産師さんが来るので、眠りが浅い自分はすぐ起きてしまいそこそこ寝不足に。もちろん妻もその都度起きるので大変だったと思う。
翌日朝7時
妻はなんとなくお腹の痛い感じがするようだが、まだまだ元気そう。一度家に帰って、急いで出たので忘れていた荷物を一旦取りに戻る。病院が近くてよかったが家が遠いと大変なことだろう。何事も準備は早めにしておいたほうがいい。ついでにお風呂へ入り、残っていた洗濯やら洗い物などをする。病院へ荷物を届けて、名残惜しい気持ちで出社。
仕事中は激そわそわする。気が気ではない。
9時くらいに妻から電話。破水してからは、時間をかけられないので、陣痛の促進剤を打つとのこと。10時頃にわたろの母が病院へ到着。母から12時頃に「だいぶ痛そうだけど順調」と報告がある。その後13時半頃から休憩になったので職場へ告げて急いで病院へ。
なんて声をかければいいのかとか、いろいろ考えながら運転をして到着。
朝最後に見た時は全然平気そうだった妻の様子が全く別のものになっていた。想像していた「だいぶ痛そう」を遥かに超えていた。もがき苦しんでいた。「もがき苦しむ」というのは文字通りで、心の状態を示す以外で本当に目の当たりにするのは初めてかもしれない。
正直、見ているのが辛く、かける言葉も思いつかない。こっちが逃げ出したくなるほどに苦しそうだった。自分にできることがあまりに少ない。手を握って、目を合わせてあげるだけ。その目にはクマができて疲れ切っている。焦点がうまく合わない。母は早くから到着していたのでどこをどうしたら痛みが和らぐのかを分かっていた。マッサージすることで少しは楽そうだった。自分も教えてもらってやろうと思ったが妻に「へたくそ!!」と怒られ以後自粛する。結局母がマッサージをする。母が来てくれて本当に助かった。
14時を少しすぎる頃には、妻の家族も合流して、みんなで無事を祈る。
妻が「来てくれた時間内に産みたい」と伝えてくれた。
自分の昼休憩は1時間なので14時半までに生まれてくれれば立ち会える。だが、焦ってどうにかなる問題でもないので、職場に電話して休憩時間を延長してもらうことに。時期によっては休憩の外出すら(というか休憩が)できないので運がよかった。妻は前日からの寝不足もあり、陣痛がおさまるといつの間にか寝て、また陣痛がきての繰り返しだった。寝ている間にハンバーグを美味しく食べる夢を見たそうだ。そして
14時52分。
非常にスムーズに無事出産。立ち会えました。
妻は頑張った。
これ以上人が頑張っている姿を見ることは今後ないように思えた。そしてその光景を通して息子が産まれた時の感動も、人生で一番だと言える。
運良く立ち会えた。他の旦那さんももし立ち会えるのなら立ち会った方がいいと思う。すごい感動するから。ただ、思いのほか辛い気持ちにもなったし、血とかがダメならもちろんやめた方がいい。(助産師さんに「旦那さんが貧血になっても誰も助けないので邪魔にならない所で勝手に倒れててください」と言われます。)
ともかく、無事でよかった。仕事の休憩時間の間に父親になって、仕事に戻るとなんか少し責任感が増したように感じた。
息子が産まれたその日、妻の病院での晩御飯はハンバーグだったそうです。
本当によかった。
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